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キエン&ヒヨク ショウ【登録タグ Duetカード HP 50 PW 20 パー】 種別 Duet/マーク パー/HP 50/PW 20 ILLUST カシぱん 【ボーカル】碧の軌跡 0 あなたのLPが100未満の場合、自分のLPを100になるように回復する。 【コーラス】招き猫ふりけん このボーカルがオンステージした時、手札からDuetカードを1枚選び公開する。 バックヤードにDuet元の2枚の音源が存在する場合、それらに重ねてオンステージできる。 あなたのボーカルが3枚いる場合は無効。 「Today s VB library」で登場。 Duet元 →キエン(C01-02) →陽翼ショウ(C01-06) ボーカル技はLP100以下の時に使えるLP回復技。使用後はLPが100になる。 最大LP90回復は脅威の一言。どんな劣勢時でも初期値の半分まで回復出来るので、その後の相手のアピールにもある程度余裕が持てる。 LPダメージを受けるコーラス技と組み合わせて、コストを帳消しにするのも良いだろう。茎音ムサシで再利用、健音テイでハンデス、雨歌エルでドローと、色々な技が使いやすくなるだろう。 問題はボーカル技ゆえの発動させにくさか。重音テッド等でボーカル技発動権を得たり、ネギっ娘(C02-01)や後音曇流(C05-05)等のじゃんけんマーク変更技と組み合わせて、いつでも発動出来るようにしておきたい。 DUET BONUSは手札のDuetカードを公開し、素材となる音源がバックヤードにあればそれらを抜き出し重ねて特殊オンステージさせる効果となっている。 ルール上、同じ名前のDuetカードを出すと2枚目のDUET BONUSは発動出来ない為、【キエン&陽翼ショウA】を出して効果で【キエン&陽翼ショウB】を出してさらに効果で展開する。と言う事は出来ない。 突然全く別のDuetが出てくる為、相手の不意を付く戦術も可能だろう。バックヤードに素材があれば良いので、序盤にビートダウンさせたボーカルやコーラス技として利用した音源を素材に本命のDuetを奇襲させると言う事も可能。 特殊オンステージに使った重音テト、ボーカル技発動権に利用した重音テッドを重音テト&重音テッドにしてバックヤード回収 ボーカル技を発動させる為に使ったルークと欲音ルコ♀(R01-04)をルーク&欲音ルコ♀にして陰陽反転 互いを参照してビートダウンを行う何音イロと何音シキで相手を削り、最後の一押しに何音イロ&何音シキを出す …等々。新しいDuetカードが出る度に様々な活用法が見いだせる効果になっている。 ただし難点として、複数のDuetカードを積み込むとデッキが重くなると言う欠点がある事を忘れてはいけない。手札事故を防ぐ為にもzontan等の手札入れ替えや、どちらかのDuetカードをピン指しにして計3枚までに抑える等の工夫は絶対に必要だろう。強力な効果を持ったDuetカードであっても、場に出せなければコーラス技にも戦闘にも参加させられない腐った手札になってしまう事を忘れてはいけない。
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日本語版クライアントパッケージについて ショップにも因りますが、在庫があれば入手する事は可能です。 購入した日本語版クライアントを使用して、 英語サーバーに接続する事が出来ます。 ただし、 日本語版付属のアカウントキーは、既に『使用不可能』になっています。 アカウントのみ別途入手する必要がありますが、 現在のところSWGを日本語でプレイする為には 日本語版クライアント Amazon.co.jp参考価格¥4,850 + 英語版クライアント(アカウントキー用) Amazon.com参考価格$84.00 を購入するしか手がありません。 未検証なのですが、もしかしたら『英語版トライアル』を利用して 日本語版クライアントを使用出来るかもしれません。 予想なので責任は持てませんが… 試す場合は自己責任でお願いしますm(__)m Amazon.co.jp スター・ウォーズ ギャラクシーズ エピソード3 オールインワンパック Amazon.com Star Wars Galaxies The Total Experience 更に情報収集中。 続・日本語版クライアントパッケージについて 英語版トライアルのオプション設定にJapaneseがありました。 が、当然日本語クライアントではないのでエラー落ちします。 これは…課金開始時のフルアップデータで機能すると言うことでしょうか? また、HDDにSWG JAフォルダを丸々コピーしてもいけるのか? ボーダーラインギリギリな気もしますが、引き続き情報収集と検証。 英語トライアルでアカウントキーを入手することは出来るようです。 日本語版EQ2をプレイしていた知人が、利用していたステーションIDを入力したところ、 アカウントキー無しで無料トライアルをプレイ出来たそうです。 その場合でならば、日本語版パッケージの購入だけで済みそうです。 ここからは予想です。 EQ2の場合、同ステIDで英語版クライアントに英語版拡張パックを導入すると、 何故か日本語版でも拡張パック機能が追加されてしまっていました。 SWGも同じ現象が起こるかどうかは分かりません。 英語版トライアルでアカウントキーを入手したとして、 もしも、EQ2と同じケースになることが無かった場合、 日本語版オールインワンパックのウーキーの拡張部分が適用されない可能性があります。 また、日本サービス終了後の登録となるので、拡張パックのオビワンは ほぼ間違いなく適用されないと思われます。 英語版クライアントを購入し、付属アカウントキーを使用すれば全て使えると思いますが…
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世界はそれでも変わりはしない(4)◆gry038wOvE 【『探偵』/希望ヶ花市】 花咲家で、おれは花華の視線を一身に浴びていた。 この時には、おれはもうある程度、事の意図はつかめていたのだった。 これまで、左翔太郎の余計な気障と、佐倉杏子と花咲つぼみの間に流れた友人同士のコミュニケーションがかなりのノイズになったが、おそらく、肝心の真相がどうかはともかく、左探偵や佐倉探偵がどういう結論に至ったのかは読み込めていた。 それは極めて単純な答えだったが、決して安々と口にしたいものとは云えなかった。 しかし、これまでも言った通り、おれはその真実がどんな物であれ、花華に正確にそれを伝えるべきだった。 永久に探し物をさせ続けるよりは、ここで決着をつけさせておいた方が良い――それがおれたち探偵の信念なのだ。 経験上、これより苦い結末の依頼をおれは何度も目の当たりにしている。 彼女がいかに傷つくとして、それを告げる事は大したハードルではなかったし、少なくとも言いたくないなどと駄々をこねるような人生を送ってはいない。 「花華……もう、探し物はやめよう。それは、あまりにも意味のない事だ。既にこの件は、おれたちの手に負えない事――いや、既に叶える事が出来ない物なのだろう。おそらく、いつか見つかる希望があるとして、今のおれたちではそれを見つけ出す事はできないし、曾祖母を満足させる事もできない」 「何故ですか?」 こう言った時、花華は少々不愉快そうに眉をしかめた。 はっきりと言いすぎてしまったきらいがあるが、だからといってソフトに伝える事などできはしなかった。彼女にとって不快感が薄まるように言っても仕方のない事だし、結局のところおれに向けられる印象が少しばかり良くなるという事は、卑怯な事でもあった。 はぐらかさずに、おれが行き着いた結論は、彼女が不快がるように言ってやった方が良いのかもしれない。 本来、それは、不快にならざるを得ない本質を持つ結論だからだ。――言い方ひとつで愉快になれるものでもあるまい。 それを伝える義務をわざわざ無償で負ってしまった以上、そこから逃れる事は出来ない。 ……ただ、せめて全くの絶望の淵には立たせたくなかった。 おれは、ちょっとばかり言葉を選ぼうと頭の中を回転させていたが――そんな折、花華の方が続けた。 「――何かわかったなら、私にもわかるように事情を説明してください」 素敵に感じるほどに、彼女の声色は怒りのニュアンスも含まれていた。 しかし、彼女自身はまだそれを表さないよう、少しばかりソフトに返していて、まだヒステリックにはなりようもない様子だった。 本格的にマルボロを咥えたくなった。 それを取り出すような間だけはあったが、おれは結局取り出せずに、再び口を開いた。 「……わかった。すぐにこの件の真実を話そう」 「お願いします――」 「ただ、勿論だが、おれが推理したのは、あくまで左翔太郎と佐倉杏子がどんな結論に至ったか、という事だ。だからつまり、真実とは言い切れないかもしれない。こうなっては、明確な証拠も証言も残ってないからね。……ただし、やはりおれとしては、それは99.9パーセント確実な事だと思う。彼らも有能な名探偵であったから、おれは彼らの下した結論を全面的に信頼する。だから、きみもおれを少しでも信頼する気があるのなら、それはもう確実な真実だと思って、ひとまずは諦めてくれ」 そうでない理由がない。 それが最も合理的で、最も納得しうる結論だったからだ。ふたりの探偵は、調査能力に関してはけちのつけようはないレベルだと云える。彼らは、通常応えないような難しい依頼さえもこなし、ガイアメモリ犯罪を根絶に近づけた名探偵なのだ。 だから、この時、おれはそれを「真実」として告げる事に決めていた。 「……」 彼女は、返事はしなかったし、どうとでも取れるような表情でおれの方を見続けた。 応えるには勇気が要る。生返事は出来ない。それがわかっているから、無言なのだ。だが、安易な返事をしないのなら、おれはそれで良いと思う。聞いてからでも、諦めるか続けるか選ぶ事はできる。 問題は、こうして提示した問いかけの意味を理解しない事だった。彼女は、理解はしてくれた。だからこうして悩んだ。 おれは続けた。 「まず、おれから言っておきたいのは――きみの曾祖母がいくつかの後悔を口にしたと言っているが、彼女が本当に後悔しているのは、おそらく“探し物”の件じゃないのがわかった、という事だ」 「えっ……」 「おそらく、さっき告げたように、もっと、おれたちの手に負えない事こそが、きみに告げられた彼女の後悔の、ほんとうの正体なんだ」 ――いきなり、花華は絶句しているようだった。無理もなかった。 こう言われては、彼女の信じようとした「探し物を見つける」という行為は、曾祖母にとって何の意味もない話になってしまうかもしれない。ここまでの彼女の努力を無に帰す結果に終わるかもしれない、という事なのだった。 それに、ただ彼女の行いが無意味になるのではなく、この推理を以て、事件の未解決は確定する。 余命僅かな――そして迷惑や心配をかけてしまった曾祖母への恩返し、という純粋な想いと焦燥に対して、それはあまりに後味の悪い結果に違いなかった。 それならば、余命僅かな曾祖母の傍に何度も見舞いに行った方が良かったのかも、と悔いる事となってしまうだろう。 「続けるよ」 だが、おれにはそんな彼女への配慮はできない。この後の方が問題かもしれない。 それでも、おれは彼女にすべての推理を展開し続けなければならなかった。 「……ただ、勘違いしないでほしいが、きみの曾祖母にとっては、それを探す事は確かに重要な事だったはずだ。しかし、彼女には“それ以前に”、“大前提として”、“もっとやらなければならない事があった”んだ」 おれは、彼女の耳に入っているのか確かめながら、続けた。 「――たとえばだ。この依頼では、最終的にこのように二人に励まされ、逆に“託されている”だろう? それが、どういう事なのか、わかるか?」 「『信頼』されている、という意味ですよね……?」 「誰が?」 「えっ……おばあちゃんが……ですけど」 「――そうだ。そうとしか言いようがない。しかし、同じ探偵であるおれからすると、それはありえない事だと思う」 「どういう事ですか?」 この件の未解決は、「この件は諦めろ」「継続する」という意味ではなかったのだ。書かれているように、依頼人に対して「君がやれ」という意味であった。 探偵に限らず、まともな大人は依頼された案件に対してこうは切り返さないに決まっている。 「たとえば、これは、警察が市民に、『きみたちが犯罪者を逮捕しろ』と、医者が患者に『自分で治せ』とそう言っているに等しい事なんだ。……先に『信頼』を受けて仕事しているのは、我々探偵の方なんだから、本来は我々がそれを返さなければならない。達成できなかった時にはそれを伝える責務があるし、このように依頼人に丸投げして終わるわけはないだろう?」 確かに、確実にありえない話とは云えない。少なくとも、税金泥棒の警察官も、やぶ医者も現実にいる。 ……しかし、左探偵と佐倉探偵は、先に言った通り、「ハーフボイルド」ではあるが、おれも認める「名探偵」だ。プロとしての矜持は備わっている。難事件も解決しているし、過去の読める限りの記録を見ても、こうした不適当な行動を取った実績はない。 「でも、探しやすい場所に住んでいるのはおばあちゃんだったから……その状況なら、そう言われるのもありえなくはないんじゃないですか?」 「ああ、そうだな。確かに任せただけなら、そうも言えるかもしれない。しかし、その場合、『未来、きみが必ず果たせる』なんていう言い方はされない。彼はもう、明らかに何かわかっている。『必ず』と言い切っているし、その前に『きみが』としている。この気取って恰好をつけた言い方が、彼女や周囲には厄介だったんだがね」 実際、花咲つぼみも珍しく左探偵の返しには不満げな日記を書いているし、それは依頼人として当然の反応である。 「……そう――その気取り屋な性格はどうかと思うが、彼はプロだった。過去の事件を見ても、それは間違いない。では、それでいて、彼らは何故こんな結末にしてしまったのか。その理由を、おれは、この伝言を見て最初に疑問に思ったんだ」 「――」 何故、二人のプロの探偵が同じようにプロらしからぬ結論に至ったのか。そして、何故依頼人は事情を説明されてそれを納得し、励みとしたのか。 それがおれにはわからなかったのだが、紐解くうちにおれは事情を察する事になった。 ――そう、言った通りの『信頼』を向けたとしか考えられなかった。そして、何故『信頼』したのか、が問題だった。 「おそらく、そこで左探偵は、この問題はまず花咲つぼみにしか解決しえない、あるいは彼女が解決すべき問題と確信し、彼女なら果たせると信じたんだろう」 「おばあちゃんが解決すべき問題……?」 「――ああ。だから、左探偵と、それからあとで再調査した佐倉探偵は“自分が関わる問題”としてのその依頼を『終了』し、それでいて“花咲つぼみが解決できていない状況”を『未解決』として、ファイルに綴じたんだよ」 「それが、『中断』ではなく『終了』としていた意味……」 「その通り」 いつの日か、花咲つぼみがそれを達成したのを知って、ファイルから外して処分するつもりだったのかもしれない。しかし、その日は来る事なく、二人が先に世の中に処分され、謎だけが後の時代に残されてしまったのだ。 これが、依頼が『中断』されずに『終了』した理由だった。 何かしらの闇に触れたわけではない。――むしろ、探偵にあるまじき感傷だ。彼らのハーフボイルドが、事件を後から見て不可解な物に見せていたのである。 「おれは、そこまで推理した後で――そういう彼らの感傷から逆算して、探し物のありかもわかってしまった」 花華は不思議がっているようだった。 まだ答えは見えていない。いや、現段階で彼女がどれくらい日記に目を通したのかわからないが、たぶんこういえばわかるのだろう。 おれの答えは、これ以外に考えられなかった。 「きみの曾祖母が生涯かけて……病床につくまでずっと研究していた、管理外の異世界への渡り方と、ある世界の捜索。彼女はきっと、この時には既に、左翔太郎や佐倉杏子に約束していたんだ。そして、二人は花咲つぼみを『信頼』して見守っていた」 「まさか……」 曾孫である花華には、この言葉でわかったようだった。 曾祖母の事を愛している彼女にとっては、何度も聞かされた話だろうし、もしかしたら、異世界移動の技術についても必死で学んでいた姿は、何度も目にしていたかもしれない。植物学者としてだけではなく、ある一人の男の友人として。 それはついに報われなかったのかもしれないが、未解決事件を一つ作り出してしまったのかもしれないが――しかし、彼女の仲間たちも信じるに値するほどまっすぐな努力を積み重ねた、純粋な願いだった。 響良牙を探しに行く、と書かれた日記。 おれは、それを目にしてしまった。 「――結論を言う」 それは、美しく、残酷な答えだった。 「そう――――きみの曾祖母が生涯かけて探した、『変身ロワイアルの世界』こそがその探し物――――きみの曾祖母が失くした骨董品、“オルゴール箱”のありかなんだよ」 そう――そこからのシナリオは、単純だった。 これより、様々な事を一方的に花華に話した。 この八十年、果たして何があったのか。 左探偵は、おそらく、紛失時期を考えたり、花咲つぼみの具体的な話を聞いたりしたうえで、変身ロワイアルの「支給品」としてそれが異世界に置き去りにされていると結論づけたのだと思う。 左探偵の場合も、同様に「大事な所持品が向こうの世界に置き去りだった事」「変身ロワイアルの戦いの前後、事務所や私物から紛失した物があった事」に思い当たる節があるのなら、余計に推理の材料が整っていた可能性が高いだろう。 これがわかった時点で花咲つぼみにきっちり説明すればよかったのだが、彼は気取り屋な性格を見事に発揮し、「未来の君が果たせる」などと持って回った言い回しだけを残して依頼を終えた。 おそらく、この時は彼女が「変身ロワイアルの世界」を見つけ、そこで共にオルゴールを発見し、「おれの言っていた通りだろう?」とでも声をかける算段が彼の中ではついていたのではないかと思う。気取り屋のやりたい事は見当がついている。 しかし、そのシナリオ通りに行けばよかったが、彼は事故によって旅立ってしまった。 風都の大人として、そして仮面ライダーとして戦った男として、恥じない誇りある最期だが――ひとつだけ、置き土産を残してしまったのだった。 ――それから数年後。 結果的に、「謎」に変わっていったこの案件を引き継いで再度推理したのが、佐倉杏子だった。 しかし、もしかしたら左翔太郎と長らくバディでもあった彼女は、左探偵のそういった性格ごと読んでいたのかもしれない。当初は探し物案件として必死で探していた彼女も、ある時――同様の結論に辿り着いた。 それはおそらくだが、あの左翔太郎の自筆のメッセージについて思い出したか、前回の調査報告書の最後の一文に着目した時の事だろうと思う。 そして、彼女の場合は、きっとくだらない謎を残して向こうに逝った相棒に呆れつつ――しかし励ますように、花咲つぼみにすべて事情を説明した。 ――そう、変身ロワイアルの世界に行かなければ、大事なオルゴール箱は見つからない、と。 ――だとするのなら、探偵である自分たちの仕事はここまでだ。 その研究をしている花咲つぼみこそがその世界を探し、そのオルゴール箱を見つけなければならない。 そう思い、佐倉探偵は――、響良牙の生存を信じ、あの世界に彼が取り残されていると信じ、そして、その世界に辿り着きたいと思いながら日々を重ねる花咲つぼみに、事件の解決を託した。 花咲つぼみの、友達として。 変身ロワイアルから八十年が経過した今。 おれは未解決ファイルとして残されたデータを読み、花華は曾祖母から「後悔」としてそのオルゴール箱の依頼を聞いた。 そして、おれたちは出会い、彼らが辿った結論に、遂にたどり着く事になった。 ……つまりは、そういうわけだ。 ――――おれはこのすべてを花華に説明し終えた。 ……実に、人々を翻弄してくれるオルゴール箱である。八十年前と今とをつなげるオルゴール箱だったというのである。 おめでたいロマンチストからすれば、それはロマンのある話に聞こえるかもしれないが、おれからすると、この結論には問題がある。 八十年という今にもまだ、続いてしまっているという事だった。 「しかし……きみの曾祖母は、彼らから託された約束事を果たせないまま――自分の余命が永くないという段階に来てしまった。だから、『オルゴール』ではなく、『あの世界に行けなかった事』こそが――『響良牙に会えなかった事』こそが、彼女の後悔の一つなんだ。そう――『変身ロワイアルの世界に行く事』『響良牙に会う事』『オルゴールを見つける事』すべては、彼女の中で同じ意味を持つ言葉だったんだろうな」 その世界に行く方法が見つからないいま、彼女の後悔はすべて後悔のままなのだ。 当然、花華が花咲つぼみの後悔を果たす事もできなければ、花咲つぼみが最期の時までに響良牙と再会する事もない。 「彼女は、左翔太郎が死んだ事で、何よりその『信頼』を重く背負いながら生きる事になってしまったのだろう。彼が信じた未来を実現させなければならなかった……それから先、『涼邑零』が、『孤門一輝』が、『蒼乃美希』が、『佐倉杏子』が、『高町ヴィヴィオ』が…………彼女の中で背負われていったんだ。そして、彼女だけが残り、いまも病床で後悔としてそれを告げた……それは、今生、果たせない約束への謝罪として……きっと、胸が張り裂けそうな想いで…………」 花咲つぼみが既に九十四歳。何度となく医療の恩恵にすがりながらも、遂にその生命は果てようという段階にきている。 それに対し、響良牙はもう、生きていればの話だが、九十六歳。――何もない場所で、何もない世界で、生きているとは思えない。 もっと言えば、だ。 彼女が見つけ出そうとした世界――それさえも消滅していると言い切れない。殺し合いの為にベリアルが用意したステージであるのなら、そこはその役目を終えるとともに消えているだろうし、彼女たちが「送還」されたのもそんな意味があるように思えてならなかった。 頭の良い彼女は、とうにその結論にだって辿り着いていたはずだ。 しかし、信頼という呪いにかけられ、研究をやめる事もできず、一人で……ただ一人で……彼らが信じる自分を信じながら、彼女は生きた。孤独になっても、彼女は未来を信じ続け……そして、未来を生きる若い曾孫に言葉を託した。 彼女の生きる未来なら――オルゴールは、見つかるかもしれない、と。 ……残念ながら、おれが有給休暇を使ってたどり着いた結末は、この通りだ。 はじめに察した通りだ。解決はできなかった。 それは、確かにおれにとっても――とても後味の悪い結末だった。 ◆ ……ここで話が終わるわけではない。 ここで終えたいならば、読むのをやめてしまっても構わないが、まだ触れていない『死神の花』という事件について気になるならば、これより先の物語に入ってもらいたいし、おれもすっかり忘れていた前提を告げよう。 そう、おれはこの時点で、あまりにも未熟だった。 人生というのは、本当に何が起こるのかわからないゲームだという事――そんな立派な前提がある。だからこそ、「結論」というのは変わってしまう場合がある。 何しろ、終わり、結末、というのはどの段階を以ての話とも言えない。死んだり、世界が滅びたりしても、生き返れば、世界が元に戻れば、ついにそれはバッドエンドではなくなってしまう。継続した「その後」が問題なのだ。 例えば、敗北していたはずの試合が、相手の不正が発覚して勝利となるとか。 例えば、有罪が確定した判決が、再審によって何年越しに無罪だと明かされるとか。 そういう話も聞かないものではないし、つまり、「結末」「結論」というのは、その時点でそう思っているだけに過ぎない事でもあると云えるのだ。 それが、おれたちの生きている世界のルールだ。 ……いや、こう言ってしまえば誤解を招くかもしれない。 これは、悪い方にも話が行くと云える。上のふたつの例だって、見つからなかったはずの不正が発覚して敗北になった奴にとってはバッドエンドだし、犯人が逮捕されていたと思って安堵していた被害者(あるいは遺族の場合もある)にとっては事件が迷宮入りなのだ。 八十年前に、終わった筈の事がひっくり返される事だってある。 あの時の事がハッピーエンドなのかどうか、それをどう認識しているかはわからないが――ハッピーエンドだと思っていたとしても、あの後、左翔太郎は不幸な事故に遭ったし、おれは花咲つぼみが一概に幸せになれたと云えない状況だったと感じている。 だから、話を見届けるにはいつも……覚悟が必要だ。 ◆ ――ここは、希望ヶ花市植物園だ。 半民営化した植物園で、花咲薫子を理事とする。これが、花咲つぼみの祖母の名前らしく、おれからすればもうずいぶんと古めかしい名前だった。 ……と、おれが言ってしまうのも何だが。 「……」 「……」 そこを取り巻く空気は、最悪だった。 謎は解決したが当初行く予定だったのだからせめて最後に花華と立ち寄ってやるか、とここに来てみたは良いのだが、何しろおれには見たいものもない。気分転換のつもりだった。彼女にとってはかなり落ち着く場所らしく、大好きな植物に囲まれる場所でもある。 おれにとっては、園内が静かなのは実に良かった。良いのはそれだけだ。草なんてどれも同じに違いない。 ……あのあと花華が泣きだしたのは言うまでもないが、この空気の中で再び泣き出そうとしている。 おれは、流石にその涙ばかりは受け止めるしかなかった。彼女が確実に涙するのを予期したうえでの言葉だった。不思議と、それまでほどの居心地の悪さはなかった。おれもすっかりこの少女の涙に関しては慣れてしまったのかもしれない。 しかし、やはり……対処には、困る。 「……なあ、花華。きみの曾祖母は幸せだったと思うか?」 おれはそれでも、ふと訊いてしまった。 オルゴール箱の所在よりも、おれにとってはそちらの方が大きな疑問であり、心残りにさえなっているのだ。 この依頼の結論を踏まえると、なお納得はできないのだった。 「……え?」 「彼女は――変な力を得て、他人の為に戦って、報われないどころかその力に目を付けられて殺し合いに参加させられて、友人をたくさん失って、挙句に帰ってからもそこでの友人の響良牙の為に研究していた。世の中に認められたは良いが、その響良牙を救うといういちばんの目的は……願いは、果たせなかった事になる」 彼女の方を見つめるが、花華の感情は図れなかった。 どういう感情が返ってきたところで、おれは、覚悟はできている。過度に彼女に干渉するつもりはないし、この話が終わった以上は、最後にどういう心情を抱かれて終わっても構わない。 しかし、謎が残って終わってしまうのは許しがたい。 おれは遂に、花咲つぼみ本人に会う事もなかったのだから。 「勿論、殴られるのを承知で言っているが――それを悪いがおれには良い人生には見えなかった。きみは、あの日記を見てどう思った?」 ここにいる桜井花華が――彼女がプリキュアとしてどう戦っているのかは知らない。 しかし、それが戦うという事だ。あらゆる覚悟と、報われない事への諦めが必要なのかもしれない。 そして、奇跡的に花咲つぼみという人間は、八十年前それが出来ていた。 それでも、それが出来ていたところで幸せとは云えない。 彼女は人間なのだ。規律や人々の生命を守り、おれたちの身を無償で守ってくれる素敵なロボットではない。 その性格は、べつに嫌いじゃない。変だとも思わない。しかし、いつもそういう人間が報われない世の中だ。世の中は、常に間違いを正せないまま回る。そういう風に回り続ける。世界は、変わりはしない。 そんな世界に生きていて、彼女は幸せなのか。 ただ、そこで返ってくる返答次第で、おれは非常に後味の悪い気持ちで花咲家との関わりを絶つ事になるのだろうと思った。 「……それは」 花華が何某かの感情を載せて口を開いた、その時だった。 事件が更に続く事になり――――『死神の花』の事件へと進展する事になるのは。 結果的に、この問いかけの答えは、直後の出来事によって保留されたのだ。 ◆ 『――なら、あなたたちが彼女の願いを叶えてあげればいいじゃない』 ◆ おれたちは、その瞬間、あまりにも唐突に、奇妙な声を訊いたのだ。 若い少女の声だった。頭の中に響いてくるような、エコーのかかったような声。 「えっ……?」 ふと、会話を中断して、おれと花華がそちらを見ると――深紅のドレスの少女がそこに立っていた。 『――』 長い黒髪をなびかせて、見た事もないほど白い肌で無表情にこちらを見ている少女。 それは、極めて心霊的で、この世のものとは思えないオーラを発して、花々の中に溶けていた。 「きみは――?」 花華とは、違う。もっと、透けているような何か。 おれは、オカルトは信じないが、その瞬間に背筋が凍った。 花華を見ても、彼女を知らないように見えた。 それどころか、おそらく誰が見ても――その少女に生気を感じる事はないだろうと思えた。 彼女に父や母がいて、平然と団欒している姿がまったく想像ができない。どこかの病院で白いベッドに横たわって外を見ているような、あるいは本当に森の奥深くに住んでいるかのような――そんな生活をしている想像しかできない、ありえないほどの、美人。 それはあまりに不気味で、見ている側の精神に支障を来すような膨大な不安をもたらしていた。 『……やっと見つけた、桜井花華――“もうひとりの私”。それに……そっちの名前は知らないけど、ついでにあなたも』 「きみは……一体、誰だ?」 『訊かれなくても後で全部説明するから。――とにかく、時間がないの。桜井花華には、全ての世界の因果律を守ってもらう使命がある』 「どういう事だ……?」 おれはさっぱりわけがわからなかった。 希望ヶ花市植物園に突如現れた少女――名も知らぬ少女。 しかし、それでいておれたちの事情をよく知っていると見える。そんな相手におれは警戒を解かない筈がない。 『だから、ついてくれば、後で全部説明するから。――とにかく。今は、私についてきてもらうわ』 次の瞬間、彼女の姿は小さな黒猫の姿へと変身し、突如その猫の前に現れたオーロラの中へと消えていった。 きわめて不可解な状況に違いなかった。特に、おれにとっては彼女以上に慣れていない事象である。 おれと花華は目を見合わせた。 さっきの質問は、一度は保留だ。それよりか、いま一度訊きたいのは、この後どうするか――彼女の変身した黒猫についていくか否かだ。 「探偵さん、とにかく行ってみましょう……! この反応は、管理されていない異世界です――」 それが、彼女の答えだった。 おれはそのまま、彼女の背中を追っていた。 ◆ 【『探偵』/異世界移動】 花華が躊躇なくそのオーロラの向こうに突き進んだ時、おれはまったく躊躇せずにその後を追っていた。 一応、一番傍にいた保護者としての責任だと思ったのだ。知り合いでもあるし、元々依頼ではなく「私的手伝い」とした理由も「鳴海探偵事務所の存続にとって不可欠な家系の人間だったから」だとするのなら、彼女がおれの視界で危うい目に遭っているのを見過ごさないのも筋だろう。 自分の力でオーロラを出せる人間は珍しく、あまりに怪しい物であったが、それが異世界を渡る際の化学反応のひとつなのは中学校の理科の授業で習っている。あまり詳しく勉強する事などなかったが、今や異世界移動の際には一瞬のオーロラを目にするのは珍しい事ではない。 しかし、よく言われるように綺麗な反応には思わなかった。 おれはむしろ、その狭間に見える世界が谷底のように恐ろしく見えた。誰も知らない場所にいざなわれるような気がしてならなかったからだ。 今回の場合も、オーロラの中に来てしまっていた事を既に後悔している。 この先に何があるのか、おれはわからないままに異世界に来てしまった。 少女の正体もわからない。 そのうえ、黒猫に変身しているときた。 「もう一度訊くが……きみの名は? どこに行くつもりなんだ」 黒猫に聞いてしまった。 猫に話しかけるのは、ちょっとばかり異常だ。……と思ったが、振り返れば、おれは普段からよくやっていた。 尤も、返事を期待するのは初めてだが。 すっかり謎の少女は、黒猫の姿としてオーロラの中を歩いている。彼女は、まったくこちらを見ようともしない。 こんな奴についていくのは不安だが、花華は妙に肝の据わった様子で前を歩いていく。 猫と話していても仕方がない。おれは、人間である彼女の方に意識を向ける事にした。 「なあ、花華、きみは気にならないのか? 人間が猫になったんだぞ」 「……そういえば、探偵さんはあまりその辺りの文化が入ってきてない世界の人でしたね。別世界だとこういった変身魔法はそんなに珍しくないですよ」 「――ああ、そうだったな、それはわかってる、確かに人間から猫になれる奴はいるな。だが、猫に変身できる人間がいるとして、きみの名前を知って植物園に追いかけてくる事もなければ、オーロラを出す事もないし、正体を明かさずに因果律の話をして異世界に誘いに来る事もない。もっと言えば、管理反応のない異世界に行く事もできないだろうな。きみならどうする、この状況でついていくか?」 もはや彼女の性格は常識がないと割り切っている。 直前まで泣きそうだった彼女は、あまりにも毅然とした顔つきになっており、逆におれの方が泣きそうな気持ちになっていた。まだヤクザとの戦いの方がわかりやすい暴力だから自分の身を守れる確率がある。 彼女はヤクザどころか、この状況でも物怖じしないというのなら、それはおれよりはるかに心が強い事と云えるだろう。 今、万が一、少女が何かのおれたちに不利益な目的を持っていたなら、このままどこかの世界で神隠しだ。 「……確かに怪しいですけど、こういう事象を解決するのが、私たちの仕事です」 「中学生のアルバイトだろう」 「でも、今の世界を支えるうえでは、私みたいに超常的な力を持つ人間の行動が必要なんです。今の状況下、彼女が時空犯罪者ならば撃退に踏み切るべきです」 「それなら、時空管理局に所属する組織人として、向こうにきっちり許可をもらってから行動しろ。許可されないだろうがな」 「だから、今こうして勝手に進んだんです」 などと、噛み合わない会話を続けていると、一番先頭の猫がこちらを向いた。 『――騒がしいわね。私からあなたたちに危害を加えるつもりはないから。……ただ、危害を加えるかもしれない相手と会わせに行くだけ』 彼女はさらっと云う。 なるほど、特別な手当が出て然るべき危険な話におれたちを乗せようというわけである。 花華もどうかと思うが、この少女の方がおかしいと云える。 彼女が危害を加えないとしても、おれたちには関係ないのだ。「お前が危険人物かどうか」ではなく、「おれたちが危険な目に遭うかどうか」――それが問題である。 さて、おれは再び花華に振る。 「――と、この子猫ちゃんは言っているが、花華。引き返す準備は?」 「ありません。事情を聞きましょう」 「なるほど……。だとするなら、悪いがおれひとりで、引き返す事にする」 おれは、もはや花華を放る事にして反対を向いた。義理の追いつく相手ではなかった。ここから先は自己責任だ。 おれは、広がるオーロラの向こうをたどれば、きっと元の希望ヶ花市植物園に戻れるだろうと思った。 しかし、そういう風に甘い考えを浮かべた矢先、背中に声がかかった。 『……戻れないわよ。ここに来たからには、私の望む行先にしか行けない』 「――じゃあ、行先を変えてくれ。さっきの希望ヶ花市、もしくは、おれの世界の風都へ」 『残念だけど、変えるつもりがないもの。ここに来た時点で、あなたはもうこの話に乗ったものとしてもらうわ。電車の車掌が一人の乗客の意見で行先を変える事なんてないでしょう。――それに、あなたも探偵なんでしょう?』 「悪いが鳴海探偵事務所は臨時休業中だ。それに、きみから依頼を受けた覚えがない」 『それなら依頼として受けてもらう形にするわ。依頼料は弾む。ただし成功報酬よ』 「……いくらだ?」 金の事をいわれると、つい聞いてしまうおれだった。 成功できる見込みがあるのなら、おれはその依頼に乗ってしまう。達成するだけ給料が弾むのだから、おれに乗らない理由はない。 黒猫が口を開ける。 『――「あなたがこれから生きる未来」、そして「世界の命運」でどうかしら?』 ……冗談だろ。 ◆ 『――そう。あなたたちに今から頼みたいのは、「世界の命運」に関わる事よ。あなたにとっても悪い話ばかりではないわ。というか、もう乗らざるを得なくなる』 彼女は、おもむろに切り出した。 やはり、花華を追うべきではなかった。彼女の場合は、世界の命運を託されてもおかしくない出生だが、おれは違う。ただの探偵だ。 唯一、鳴海探偵事務所という特別な探偵事務所と雇用契約を結んだ件だけが、こうした超常的事象とおれとを結び付けてくれるかもしれないが、少なくともおれはヒーローではないし、特別な力を持たない。 多少、普通の人より喧嘩が強いだけ。……そう、それはあくまで、“普通の人”より、だ。 しかしだが、ひとつ残念な事がある。今回は別に巻き込まれたのではない。 花華の背中を追ったとはいえ、それは自分の意志で追ってしまった。そして、引き返せないらしい。文句を言わず、潔く諦めるしかなかった。 あとは、もう彼女の話を聞いて、どういう形であれ生きて元の場所に帰ってみせるだけだった。それしかない。 彼女は続けた。 『申し遅れたけど、私の名前は魔法少女、HARUNA ハルナ 。インキュベーターとの契約により、魔法少女となり――今はとある勢力によって与えられた任務を果たす為に、あらゆる時代、あらゆる世界を渡り歩いている』 「とある勢力とは?」 『――ただ、私には、契約する前から長らく「実体」がない。あるのはHARUNAとしての情報だけ。だから、こうしたアバターを使っているけど、別にさっきの姿もこの姿も本当の姿というわけではないわ』 いきなり、質問を無視されている。まあいい。 情報のみを抽出して実体から分離する、一つの技術――実に怪しいというか、この時代から見ても先進的な技術の話をしている。……いや、技術としては可能かもしれないが、おそらく倫理的問題・安全面での問題をクリアーできていないというのが正確なところか。 彼女が本当に魔法少女であるというのなら、「ソウルジェムに意志を転移する」という技術を太古の昔から可能としているのだ。 それに、言い換えれば「情報体」――つまりデータ人間は、おれたちの世界の八十年前の技術だって可能だ。おれの探偵事務所にだって、まさしくそんな探偵がいたのだから、まあ、ありえない話ではないとは云える。 ……それから、彼女の名前はHARUNAというらしい。まったくもって、おれの言える事じゃないかもしれないが、呼び名があるというのは便利だ。いつまでも「少女」「黒猫」では仕方ない。 なんだか、奇妙なほどに花華(ハナ)とよく似た名前であった。HARUNAは、そんな自分と似た名前の少女の名前を呼んだ。 『――桜井花華』 「何でしょうか?」 『……あなたをこうして呼んだのは、他でもない。この八十年を耐えきった世界たちが、ある理由によってその形を崩すのを防ぐ為よ。――つまり、「この世界を壊させない事」が、あなたの使命。そっちのオマケは、残念ながら本当にオマケね。来る必要はないけど、とりあえず役には立ってもらうわ』 彼女にとっての役割は、『オマケ』か。 まあいい。花華にとって『探偵』であるとしても、彼女にとって『オマケ』であったというだけの事。これから何の役にも立てないのなら、おれは『オマケ』として見届けよう。 尤も、役に立つとか役に立たないとか以前に、彼女の云っている事がよくわからないのが正直なところだが。 「……HARUNAさん。ある理由によって形を崩す、と云いましたけど、それはつまりどういう事ですか? 管理局には一切聞いていませんが――」 『そういうのも後で全部言うから、とにかく質問を挟まず黙って聞いててもらえる? まあ、ひとつだけ答えておくと、あなたが管理局から一切聞いていないのは、単に無能な管理局が事態を把握していないからよ。……尤も、それを感知できる力がないから当たり前だけど。それに、あなたは確かにその組織の一員ではあるとしても、決して全情報を開示される権利がある立場ではないでしょう――?』 そう言われ、花華は少しばかりたじろいだ。 こうまで強く、敵意や不快感を向けられて言われれば、彼女が泣き出すか、あるいはさすがに怒り出すのではないかと心配になった。 おれが言うのも何だが、HARUNAももう少し不愉快にならない言い方を探せないのだろうか。……何にせよ、この「情報」は、よほど性格が悪いと見えた。 この性格の悪い「情報」は、そのまま続けた。 『――で、当面の伝えたい事情は簡単よ。いま、花華の曾祖母、花咲つぼみ――えっと、今は違う名前だっけ? ……まあいいわ。とにかく、花咲つぼみが変身ロワイアルというゲームの最後の生存者という事になっているかもしれないけど、実はもう一人だけ、あのゲームには生き残りがいるの』 「花咲つぼみ以外の生き残り? そいつは誰だ……? って、訊いても無駄か……」 『そして、世界を守る為の私たちの急務は――――』 案の定、質問は無駄だった。彼女は勝手に話を進める。 この黒猫は、その先の言葉を冷静に告げた。 『――――その、もうひとりの生き残りを、“殺す”事』 おれの質問を無視して、HARUNAから告げられた指示と目的。 それは、探偵に依頼して良い仕事でもなければ、当然彼女の思惑通りにプリキュアに任せて良い任務でもない。そもそも、人に頼む時点でどうかしている――何者かを殺害しろ、というのが彼女のおれたちへのメッセージだった。 こういう風に言われ、おれたちは言葉を失った。 彼女が続ける言葉を、おれたちはただ聞くしかなかった。 『……あの変身ロワイアルというゲームの勝利条件によって得られるのは、「どんな願いも叶える権限」だった。その事は知っているわよね』 おれはふと思い出す――何人かの参加者が、その条件を信じて「願いを叶える為」に戦いに臨み、そしてそれを果たす事がないまま散った事を。 そう、花咲つぼみの友人の中にも、ただ一人だけそんな願いを伴ったまま戦った少女がいた。家族の蘇生という、極めて年頃の少女らしい純粋な願い。 しかし、結局、願いを叶えた参加者はどこにもいない。最後の一人が決する事なくゲームは終わったし、あの言葉を投げかけた主催者の方が敗北した為にその権限が本当なのか偽りなのかもわからないままに物語は幕を閉ざしたからだ。 もっと言えば、その願いを叶えようとした人間が「主催側」にもいたが、その願いはほとんど本人が望む形で叶いはしなかった。 ある者の蘇生を望み、それを叶えはしたものの正しい形で蘇らなかった加頭順やプレシア・テスタロッサ。 世界を取り戻す事を望み、それが叶った後に世界は元の形に矯正されたイラストレーターや魔法少女。 そして――世界の支配を望み、一度は世界を支配したが、そのすぐ後に敗れ、世界の支配を叶えきれなかったベリアル。 願いとは常に皮肉であるともいえた。 「ああ、だが、それがどうかしたのか? ――いや、こちらから訊いても仕方ないんだったな。……続きを頼む」 『……つまり、その願いは今、あの殺し合いの生存者が一人になろうとしている時に――その優勝者に託されようとしている』 「――優勝者、だと……?」 『そう。あの殺し合いは、一度収束したように見えたでしょう。でも、本当の意味で最後の一人になるまでは――決して終わりはしないみたいなのよ。たとえ加頭順やカイザーベリアルがいないとしても、もっと大きなシステムが動き続けている。つまり、あれから八十年間、「変身ロワイアル」はずっと続いていたの。参加者たちが互いに危害を加える事はなかったかもしれないけど』 殺し合いはまだ終わっていないだろう、という想い。――それは、少し前におれが考えた事とまったく同じだった。 ある意味で、それは現実だったと、彼女は云うのだ。 しかし、その意味合いが――おれの思った形と、彼女の云う形で明らかに違う。 おれは、生還者がまだ縛られるという意味で告げていた。しかし、彼女の言い分によると、あの殺し合いのシステムそのものが残存しているという。 その事は、おれには関係のない話だが、驚かざるを得なかった。 信頼の置ける情報ソースではないが、作り話にしては妙に詳しくもある。少なくともいま話している内容は正確な情報も多いし、おれは彼女のいざなうままにオーロラを辿っている。妄言発表会のやり方ではない。 彼女は続ける。 『――そして、その生存者が、このまま花咲つぼみの死とともに願いを叶える権限を得たとするのなら、“彼”が望む願いはひとつしかない』 「それは――」 『――それは、この世界が歩んだ歴史、この八十年をリセットする事で、世界がそれぞれ独立し歩む「本来の形」にする事』 「本来の形……?」 『そう。実感がないかもしれないけど、あなたたちが生きている世界は、決して本来の歴史の通りには進んではいない。あの殺し合いがなければまた別の未来を――もしかしたらもっと幸福な未来を歩む事になったでしょうね』 「――」 おれが、花咲つぼみを通して考えた事に違いなかった。 あの殺し合いに巻き込まれた事による彼女への不幸は計り知れない。 日記をめくって書いてあった事――そのすべては、端から見れば不幸と戦う健気な少女の書いた悲しみ。 そして、おれが追って結論したのは――仲間に強く託された願いを叶えられないまま旅立つ事に未練を持った、無力な老婆になったという事。 「なるほど……」 生還した事がハッピーエンドにはならない。生還した人間がその先を生きる事は、常に戦いだった。 ふと、彼女の友人の死なども……彼女の友人が殺し合いに乗った事なども、頭をよぎる。 明確な犠牲者がいた。そうなるべきでない事があった。 あるべき事象か、あるべきでない事象かと言われれば、後者だった。 『そして、本来はそれこそが個々の世界の「正史」であり、「オリジナル」と呼ばれる歴史なの。いまあなたたちが生きている世界は、変身ロワイアルの介入ですべて変わった二次的世界「セカンド」と呼ばれる別の作られた偽の歴史よ……。でも、こういう形になったから、辛うじて一つの世界として成立し、持続しているし致命的な不安定はない。だけれど、万が一、それが優勝者の願いで「オリジナル」の形にもどれば――』 おれは、この説明を聞いて即座に理解はできなかったが、咄嗟に花華の方を向いた。 タイム・パラドックスという言葉が思い出された。彼女が言っているのは、それだ。 この世界は既に、変身ロワイアルが発生させた「タイム・パラドックス」によって生まれ、そして育った歴史――おれたちにとっては正しくとも、決してあるべきでない形の世界。 だが、そのタイム・パラドックスを優勝者が正してしまったとするなら、この世界からあらゆるものが消えるに違いない。 それがその言葉の示す意味だ。 『――たとえば、わかりやすく言うと、桜井花華。あなたの存在は、消える。花咲つぼみが別の男性と出会い、別の子供が生まれ、きっとあなたの存在しない世界として再び世界は歩んでしまう。他にも多くの存在は消滅し、この時間は消える。八十年もあらゆる因果律が集った以上、今からすべて壊される事による被害は計り知れないわ。たぶん、そっちのあなたも消える。八十年が残した影響の中で、あらゆるものが消えるわ。――それから、たとえば、折角技術の相互補完により安定していた魔法少女の宇宙なんかは、再度、崩壊の危機を迎えて悲劇の世界に戻ってしまう』 「だからきみは――もう一人の生き残りを殺しに行くのか? あ……いや、殺しに行くというんだな」 『ええ、この歴史は、「オリジナル」からすれば間違ってはいる。本来殺されるべきでない人たちが殺し合いをしたけれど――その反面、殺し合いや殺し合いの後の歴史で多くの命や想いが残り、ある人たち、ある世界にとってはむしろ幸せなカタチを残している。そんなこの偽の歴史を守るのが、私の使命よ』 おれは傍らの花華を凝視し続けた。HARUNAの言う事が本当ならば。彼女もまた、彼女やその勢力の恩恵を受けて守られる事となる――もっと言えば、あるいはおれもそうかもしれない。 バトルロワイアルによって別の歴史を歩んだ世界において、その後の歴史で生まれた子供はすべて、消滅のリスクが極めて高い状態だと云える。あれだけ大規模な出来事が発生した中で死んだり、影響を受けたりした人間は膨大であるし――この八十年で生まれたものはおそらく、すべて消えるだろう。 作り話にしては、設定が凝っていた。 『これから私たちの行く先――そこに、もう一人の生存者が生きているわ。言い忘れていたけど、彼は、不老不死の「死神」となっている』 「不老不死の死神……? きみは、不老不死の人間を殺せと――?」 『そして、これからあなたたちに行ってもらうのは、花咲つぼみの遺伝子情報を持つ花華や、先にあの世界に移動した“彼”。あとは、私のような“特異点”の情報端末だけが潜れる場所、――――「変身ロワイアルの世界」よ』 「……冗談だろ」 彼女は、今、さらっと何を言ったか。 今からあの凄惨な殺し合いの現場へ――花咲つぼみが探し求めた、変身ロワイアルの世界に連れて行くと、よりによって今日、このタイミングで、そう言ったのだ。 いくらなんでも、あまりにもタイミングが良すぎると言わざるを得ない。おれたちの話を聞いていて、それで騙す為に話をしているとも言えない。 八十年、それから、これから先の歴史において、そんな日はいくらでもあったはずだ。それが、よりによって今日重なるというのか。 ……いや、だが、待て。 先入観を捨てて考えるのなら、タイミングの良し悪しは関係ない。問題は、そんな主観よりも、確固たる事実の方だ。 本当に、これからこのオーロラで変身ロワイアルの世界に行けるのなら――おれは、こいつを信用してもいいかもしれない。 そこはいまだ誰も到達できない場所であるし、その不可能を可能とするのなら、彼女がそれだけ大きな力や影響力を持つ少女だと考える要因になる。 本当にそれだけ世界の話を知っているのなら、彼女もあるいは、変身ロワイアルの世界への行き方さえ知っている、と云えなくもない。 それにしても、何よりそこにもう一人参加者がいる――不老不死となった参加者がいるとするのなら、それは、まさか。 おれは、変身ロワイアルの世界に残っている参加者を思い浮かべた。 二人だけ、候補が浮かんだ。最終決戦でベリアルが倒されるまでの瞬間に生きていたが、生還はしなかった人物が二人いる。 一人は、消滅した。 一人は、ベリアルと相打ちになり、生死不明となった。 だが、「死亡」は観測されていない。 『――そして、そこであなたたちが殺すべき死神は、かつて――ベリアルにトドメを刺して爆発する時、エターナルメモリの過剰適合によって「永遠」の身体を得てしまった少年――』 おれの導き出した結論を裏付けるように、彼女はそう告げた。 そして、その名前を出すよりも前に、おれは呟いていた。 「響、良牙……!」 それが本当ならば――おれは、八十年間島に残り続けていた迷子と、ガイアメモリという化石に同時に出会う事になる。 花咲つぼみの確信通りに響良牙は生きており、そして、おそらく確信を超えたところでずっと――八十年も、生きていた。 恐ろしいほど、タフな男でもないと生きられない歴史を背負いながら。 しかし、それを殺せとは、あまりに残酷だ。 おれが殺し屋だったとして、受ける気にならないような依頼だった。 ましてや、二人の人間が八十年願い続けた再会を無粋な介入で消し去ろうとしている。何より――花咲つぼみの曾孫の手で。 「――本当に、響良牙さんは生きているんですか!?」 『……とにかく、そちらのオマケは、参加者の遺伝子情報を持たないから、変身ロワイアルの世界に入る時には私が憑依する事で一時的に特異点の力を授けるわ。かつてもその方法で非参加者が入った事例があるようだけれど』 「――――本当に、その人は世界のリセットを望んでいるんですか?」 『それからもう一つ。死神はいま、エターナルの力を強めて、かつてより手ごわくなっているわ。それでも、花咲つぼみと瓜二つの顔をしている桜井花華が前に出れば、確実に油断する――その時にもう一人の“彼”に戦わせて、メモリブレイク。生身になったところで息の根を止めてもらう。憑依すれば私もあなたという実体を動かせるから、しくじっても私が何とかするわ』 「――――――本当に、そんな事に協力しろって言うんですか!? あんまりじゃないですか!? これがもし……もし、おばあちゃんも同じ願いを持っていたなら? 八十年間の歴史を戻すことを、おばあちゃんが望んだなら、今度はおばあちゃんを殺すつもりだったんですよね!?」 『いざという時は、あなたもプリキュアの力をぶつけてメモリを排出してくれれば良い。そうすれば、生身になるし、もう少し彼の殺害が現実的になる』 「――私、堪忍袋の緒が切れました!!!!!! 質問に答えてください!!!!!!!」 花華も、この時ついに、曾祖母同様に堪忍袋の緒を切らしたのだった。 ◆ ……ここから、おれは、あの『死神の花』事件に関わっていく事になる。 オルゴール箱を探すという依頼の答えが提示された直後に、不可能と結論づけたはずのその答えの先におれたちは辿り着いてしまった。 だが、それはこういう話へと続いていく。 この変身ロワイアルの参加者は――残り二人だ。 花咲つぼみと、響良牙。 二人は、「つながった世界」と「孤立した世界」で、それぞれ最後の一人として分かたれ、孤独に生きてきたのだろう。……そして、お互い出会う事を望みながら、しかし出会う事がないまま、盤面に残った最後の駒となってしまった。 確かにお互いが殺し合う事はないが、どちらかが生きている限り、殺し合いは続いてしまう。花咲つぼみがもし、この後で息を引き取れば、その時に響良牙に願いを叶える権利が与えられるだろう。 HARUNAの勢力が求めるのは、響良牙が叶える願いの阻止だ。 それは、おれたちの世界を守るためだと言われている。 とにかく、これまでのキーワードを纏めよう。 オルゴール 変身ロワイアルの世界 エターナルメモリ 優勝者の願い HARUNA ハルナ “彼” 生きていた響良牙が、本当にこの世界を破壊してしまう……というのなら、おれは……。 ◆ 【『死神』――響良牙/変身ロワイアルの世界】 ……おれは、空を見つめた。 今日が、その時だ。 ――遂に、奴らが来る。 ――ここに連れ去られ殺し合いをさせられてから今日までの長い出来事を、おれはずっと思い出していた。 かつて、おれは、ベリアルを倒した爆炎の中からこの地に落ちた時、すべての記憶を失った。 そのままわけもわからず、ふらふらと彷徨い、歩いた先の街で――おれは、男の死体を見つけた。 早乙女乱馬……というよく知った男の死体だったが、その時に思い出す事はなかった。 おれはその時は、ひたすら逃げて……森に辿り着いた。 そこで、おれは冷静に考え――自分こそがその死体を作り上げた殺人犯だという結論に至った。 おれは、気が狂いそうになっていた。 やがて、おれは怪物たちと出会う事になった。 怪物たちの名前はニア・スペースビースト――ダークザギの情報や遺伝子を受けて異常進化し、スペースビーストのように巨大化した微生物たちだったらしい。ただ、おれはずっとわけもわからないままそいつらから逃げ、自分自身の持つ馬鹿力で戦い続けた。 ほとんどの怪物を、おれはなんとか倒す事ができた。ちょっとの損傷ではおれは死なない。必ずしも簡単な戦いばかりではなかったが、なんとか戦い抜いた。 そして、ある日――そんな怪物と戦うさなか、おれは頭を打ち、偶然にも、記憶を取り戻す事になった。 やがて、おれはいくつかの亡骸を見つけて、それを次々と埋葬していった。 最初に埋葬したのは、乱馬の遺体だった。すっかり朽ち果てていたが、おれはあいつを運び、あかねさんのいる傍に、埋めた。 いくつもの墓が出来た後、おれは、この世界で守るべきものも何もなく――強いて言えば、ただ墓守りとして、ただ明日が来るのを信じて、その怪物たちと戦った。 おれには簡単だった。 ロストドライバーを使わなくてもエターナルの力を発揮できるようになったおれは、死ぬ事もなければ、老ける事もない。元々、頑丈な体だ。ただ毎日、相手もいないのに強くなっていくだけだった。 島の中を彷徨い、誰かが落とした支給品や残した支給品なんかも手に入れた。 暇つぶしにはなった。 そんな風に、地獄のような――しかしまだこれより後の地獄を考えれば短いほどの三十日が経った時、あるものがおれの近くで囁いた。 インテリジェントデバイス――クロスミラージュだ。アクマロたちとの戦いで破壊されかけたデバイスだったらしい。 クロスミラージュも、砂に埋もれながら、孤独な状況を嘆き続け、そんな折におれが現れて声をかけたらしい。 それから、しばらくはクロスミラージュとともに二人で、おれは彷徨い続けた。 会話の相手がいるのは信じがたいほどに嬉しい事だった。 それから、時間をかけてイカダを作って外に出て、いくつかの島を見つけた。 そこもまた、無人だった。かつてそこでも殺し合いが行われたように、あらゆる建物や武器の残骸、骨となった人間の跡が残っていた。 果実の実る島を見つけたが、永遠の力を得たおれには、もはや必要がなかった。 それからどれだけ彷徨っても、おれは仲間を見つける事はできず、孤独のままだった。 気づけば、また元の島に戻っていた。手ごたえのない旅を徒労に感じ始めたおれは、別の島に行くのをやめた。 またそれから、毎日、島から出る事もなくつまらない日々を暮らし、戦う相手もしないのに頭の中だけで修行し、おれは、誰かが来るのを待つ事にした。 毎日毎日、ずっと同じ事を考えていた。 彼らもここにいないという事は――左翔太郎や、涼邑零や、高町ヴィヴィオや、蒼乃美希や、佐倉杏子や、孤門一輝や、花咲つぼみは――元の世界に帰れたのだろうか。涼村暁はどうなったのだろう。 彼らは、帰れたとして、その先が救えたのか、そこから先のあの管理世界は終わり、今度こそベリアルとの決着がついていたのか――そんな不安を持ちながら、きっと勝てたと信じ、彼らが助けてくれるのを待った。 だが、来ることはなかった。 もしかしたら、おれは死んだのかと思われているのかもしれない。 おれたちだけが、ふたりで、迷子でここにいた。 そして――クロスミラージュも、ある時に動かなくなった。どれだけ言葉をかけても返ってこなくなり、おれはクロスミラージュも埋めた。 おれだけが、ひとり、迷子になった。 それから、またずっと、長い孤独だった。時間はいつしか数えていない。ある時から、どう流れても一緒だった。いま何十年なのか――百年は経っていないと思う。 その間中、ずっと、誰かの支給品だったらしい、このオルゴール箱はおれの心を癒してくれた……。 悲しみに潰れそうな夜に聞くと、おれは壊れ行く心をなんとか維持できるようになった。 それだけはなんとか、今日まで壊れる事なくおれの傍にあり続けてくれた。 ……そうだ。おれは、あいつらと一緒にその先の未来で過ごす事はできなかった。 ただ、ある時、ある予知の力と、いくつかの情報がおれの頭に過った。 それはダークザギが得た情報と能力だった。一度だけ仲間とともにウルトラマンノアと融合して戦った事や、ニア・スペースビーストを倒し続けた事によっておれも潜在的にその力が覚醒していたのだった。 バカなおれが、ニア・スペースビーストなんていう言葉を作り出せたのも、ノアやザギの情報によるものだ。 そして、ちょっとした予知の能力を得られたおれは、それから十年間、今日だけを待った。 誰かが来る。おれを殺しに来る。 だが、おれはそいつらを撃退する。 ――そして、おれは願いを叶える。 おれはその願いを叶える時の事を、ずっと考えていた……。 この永遠の中で――ずっと、何度思い描いた事か……。 たとえば、あの殺し合いがなかった事にしたい……。 おれはずっと、何度も、そう思い続けていた。 願えば、きっと、おれのこの苦難の時間も忘れ去れさせるだろう。 だが、ひとつどうしても考えてしまう事がある。 最後の一人が願いを叶えるという事は――おれしかいなくなるという事だった。 「――――つぼみ。おまえはまだ、生きているんだよな……。どういう風に……どこで、どういう未来を生きたんだ……? なあ……おれが終わるとしても、世界が終わるとしても、どっちだとしても、せめて……おまえが生きているっていうのなら、おれはおまえと会いたい。おれにとっては、ここで出会った一番の友達だって、おれは――――」 言葉を忘れない為に、おれは時折こうして空に言葉を投げかける。言葉が形を保っている自信は、あまりない。それでも、おれはかつての言葉を思い出した。 おれは、つぼみがかつておれにくれた、花の形のヘアゴムを眺めていた。 あの時身に着けていたこいつも、エターナルメモリの力でおれ同様に、朽ち果てる事なく長い時間を寄り添ってくれている。 つぼみ以外の全員が死んだ事を、おれは悟っている。 そして……。 【残り2名】 ◆ 時系列順で読む Back 世界はそれでも変わりはしない(3)Next 世界はそれでも変わりはしない(5) 投下順で読む Back 世界はそれでも変わりはしない(3)Next 世界はそれでも変わりはしない(5)
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ロアラジの軌跡 2009年5月6日Lv73放送 なぜかレスが爆発70個以上レスが付きMustangが右往左往する。 2009年6月25日Lv120放送 某黄鯖WIZのRさんから怪しげな音声レターが届けられる。 レターの内容 サンマ!サンマ!サンマ!サンマぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!サンマサンマサンマの塩焼きジュウウジュウぅううぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんんはぁっ!大根たんの白色ブロンドの肌をジュウジュウしたいお!ジュウジュウッ!あぁあ!!間違えた!ショリショリしたいお!ショリショリ!ショリショリッ!大根おろしショリショリッ!おろしショリショリッ…じゅんじゅんじゅわ!!炊き立てのご飯のたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!パカッフワッされて良かったねご飯たん!あぁあああああ!かわいい!ご飯たん!かわいい!あっああぁああ!ポン酢も垂らしてさらに美味し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!ぐあああああああああああ!!!ポン酢に酢は入ってない!!!!あ…ポン酢トットットッってよく考えたら…ポ ン 酢 ち ゃ ん に は 酢 は 入 っ て な い ?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハムッ ハフハフ、ハフッぁああああ!!この!ちきしょー!やめてやる!!サンマの塩焼きなんかやめ…て…え!?見…てる?台所のポン酢ちゃんが僕を見てる?グリルの中のサンマちゃんが僕を見てるぞ!大根おろしちゃんが僕を見てるぞ!炊飯器から炊き立てご飯ちゃんが僕を見てるぞ!!食卓の上からポン酢ちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはサンマの塩焼きちゃんがいる!!やったよハフハフ、ハフッ!!ひとりでできるもん!!!あ、冷蔵庫のサンマちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!あっあんああっああんあポン酢様ぁあ!!き、きめぇよ 死ね!!うわ、キモぁあああああああああ!!ううっうぅうう!!俺の想いよサンマへ届け!!グリルの中のサンマへ届け!
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【検索用 きっとほくらははるをむかえに 登録タグ VOCALOID き 傘村トータ 初音ミク 曲 曲か】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:傘村トータ 作曲:傘村トータ 編曲:傘村トータ 唄:初音ミク 曲紹介 今回初めて、意識して、自分ではない誰かのために、歌を作りました。(中略)気に入ってもらえるといいな。ね、まだまだ、一緒に生きていきましょう。いつもありがとう。 曲名:『きっと僕らは春を迎えに』(きっとぼくらははるをむかえに) 傘村トータ氏の76作目。 歌詞 (ピアプロより転載) こわくて、涙が止まらなくて、泣いている きっと少し疲れてるんだ こんなご時世だもの 疲れてもしょうがないよな こんなに先が見えないのは 生まれてきて初めてかもしれない みんな不安で、ぼくも不安で でもきっと、でもきっと、 そうさ、きっと 大丈夫、ほんの少しの辛抱さ また楽しく笑える日々がすぐ来るよ きっと、きっとね、 だってこれから春だ 花咲く優しい、優しい季節だ 眠れない夜がなんだか続いて きっとだいぶ疲れてるんだ こんなご時世だもの 疲れてもしょうがないよな 大変なことが次々起こって 規格外の毎日だ、まったく みんな不安で、ぼくも不安で でもきっと、でもきっと、 そうさ、きっと 大丈夫、ほんの少しの辛抱さ またみんなで遊べる日々がすぐ来るよ きっと、きっとね、 だってこれから春だ みんなで、きっと、春を迎えに 一番僕らに足りないものは これ以上の頑張りや緊張じゃなくて 一番僕らに足りないものは たぶん、たぶんね、 深呼吸だね きっと 大丈夫 ほんの少しの辛抱さ また普通の、いつもの日々がすぐ来るよ きっと、きっとね、 だってこれから春だ 僕らはみんな、 花咲く柔らかな 春を、迎えに コメント また好きすぎて設置しました。これからも傘村さんと歩んでいけたら素敵だな。ミスあったら指摘お願いします。 -- みよ (2020-03-03 05 44 49) 傍で寄り添う様な温かさが、じんわりと胸に染みる曲。傘村さんの曲に込める言葉が大好きです。 -- 匿名 (2020-04-26 11 59 34) 東日本大震災の被災者です。ミクちゃんの優しい「大丈夫」を聴いて涙が出ました。今、世界はコロナウイルスに侵され苦しい状況にいます。震災を少しずつ乗り越えようとしている今のようにこのコロナウイルスもゆっくりでも確実に乗り越えて行けたらいいなと思います。貴方の、隣に寄り添って背中を摩ってくれるような美しい音楽が本当に大好きです。この曲を作って下さり本当にありがとうございます。 -- 名無しさん (2020-05-10 21 12 07) トータさんの曲はどれも素敵で、寄り添ってくれている気がします。 -- あめ (2021-07-26 21 22 26) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 宇宙戦艦ヤマト 英雄の軌跡 タイトル 宇宙戦艦ヤマト 英雄の軌跡 永遠のジュラ編 遥かなる星イスカンダル映像集 機種 プレイステーション 型番 SLPS-02952 ジャンル シミュレーション 発売元 バンダイ 発売日 2000-9-28 価格 2800円(税別) 宇宙戦艦ヤマト 関連 Console Game SCD-R 宇宙戦艦ヤマト PS 宇宙戦艦ヤマト 遥かなる星イスカンダル さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 宇宙戦艦ヤマト 英雄の軌跡 PS2 宇宙戦艦ヤマト イスカンダルへの追憶 宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲 宇宙戦艦ヤマト 二重銀河の崩壊 Handheld Game GB 宇宙戦艦ヤマト WS 宇宙戦艦ヤマト 駿河屋で購入 プレイステーション
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英雄伝説 黎の軌跡 The Legend of Heroes KURO NO KISEKI 2021-09-30/PS4 CAST ヴァン・アークライド 小野大輔 アニエス・クローデル 伊藤美来 フェリ・アルファイド 小倉唯 アーロン・ウェイ 内田雄馬 リゼット・トワイニング 石川由依 カトル・サリシオン 田村睦心 ジュディス・ランスター 日笠陽子 ベルガルド・ゼーマン 大塚明夫 メア 長縄まりあ エレイン・オークレール 斎藤千和 ルネ・キンケイド 福山潤 ユメ 長縄まりあ ポーレット 原由実 ビクトル 岡田雄樹 ディンゴ・ブラッド 新垣樽助 マリエル・エーメ 本渡楓 ベルモッティ 村田太志 レン・ブライト 悠木碧 ジン・ヴァセック 稲田徹 フィー・クラウゼル 金元寿子 ラトーヤ・ハミルトン 井上喜久子 サミュエル・ロックスミス 掛川裕彦 キリカ・ロウラン 米本千珠 ツァオ・リー 平川大輔 リーシャ・マオ 佐藤利奈 ニナ・フェンリィ 上田麗奈 シェリド・アスヴァール 武内駿輔 ギリアム・ソーンダイク 成田剣 カシム・アルファイド 梅原裕一郎 セリス・オルテシア ファイルーズあい リオン・バルタザール 斉藤壮馬 ロイ・グラムハート 小山力也 アルヴィス 楠賢将 ダスワニ 杉崎亮 ネイト 佐藤正幸 アイーダ 北本杏奈 ハサン・アルファイド 志村貴博 ゲラント 内野孝聡 ギエン・ルウ 山本格 ファン・ルウ 大久保貴 ジャック・トレバー 利根健太朗 ハル・コールマン ながえゆあ ギャスパー・ディロン 北島善紀 FIO 首藤志奈 デビット・キャラハン 峰健一 ビル・タウゼント 荒木寿茂 カエラ・マクミラン 風間万裕子 コーディ・マクミラン 中島雅也 シズナ・レム・ミスルギ 内田真礼 クロガネ 森嶋秀太 エルロイ・ハーウッド 黒田崇矢 ルクレツィア・イスレ 植田佳奈 ヴァルター・クロン 吉水孝宏 ヴィオーラ 山本希望 アレクサンドル 新垣樽助 オランピア 瀬戸麻沙美 アリオッチ 小山剛志 メルキオル 蒼井翔太 ジェラール・ダンテス 関智一 運び屋エルメス 小見川千明 みっしぃ 小塚亮輔 男性アナウンサー 長谷川裕貴 女性アナウンス 桜木つぐみ パーソナリティ 山田親之條 ヴァン幼少期 真仲りえ キンケイド幼少期 結城光 ギン婆さん 山川朋美 バーテンダー・シノ 梨木うき 遊撃士レジーナ 星ノ谷しずく 運転手ジョルダーノ 近藤雄介 ポール巡査長 眞對友樹也 ラン 汐入あすか メリッサ 大城芽唯 アニー 新木涼音 運転手ロジャー 福島匠 乗客キム 竹田壮吾 セイ 須嵜成幸 ホアン 中島優貴 シド 森山侑 ティムル 各務華梨 乗組員 髙木龍馬 ユリアン 南誠 シニョン 宮崎沙菜 男性市民 真野拓実 マフィア 藤本丈 斑鳩・忍び 磯辺光河 老年男性 堀総士郎 老年女性A 松田喜実 老年女性B 高宮千尋 中年男性 南嶋毅 青年男性A 橋本愛仁 青年男性B 岩田陸 青年男性C 帯谷俊太郎 青年女性A 森千早都 青年女性B 山田美鈴 青年女性C 寺島美優 男児 内山茉莉 女児 彩山あり ボイスワークス ディレクター 三村雄飛 音声調整 滝口恵太 音響制作担当 荒浪和沙/中村翔太 音響制作 プルームズ(BloomZ) 開発スタッフ プログラム 平田裕樹 / 遠藤徹 / 日置伸宏 大崎敦史 / 前川真吾 / 矢口皓之 / 栗原雅俊 / 浅沼千寛 グラフィック 高居淳 / 山田哲也 / 岡田弘己 / 松川剛 長尾一樹 / 伊藤慎一 / 村上星児 / 荒木健 / 田中英登 / 矢吹浩之 / 吉田麻衣子 / 林宣夫 / 井上俊夫 / 大草歩 / 東海林優 星出慎一郎 / 澤村智也 / 肥塚美英 / 千智夽 / 森下岳斗 / 平田沙織 / 田中真人 / 山根英二 / 丹原勇 / 宮西貴也 / 宇都宮颯 / 東航平 中嶌佳子 株式会社 デジタルワークスエンターテインメント シナリオ/イベントスクリプト 竹入久喜 / 宮崎勇太 / 四方俊成 / 李嵐峰 高井孝太郎 / 野田大貴 / 阿部菫 / 今井静月 / 高橋志暢 / 久保田諄 株式会社 呉ソフトウェア工房 呉英二 / 梅原正 / 戸崎代志宏 / 関亨 株式会社 スタジオアートディンク 小谷友紀 / 橋本研一 / 菅野美喜子 / 山田義之 / 森恭平 / 三浦安弘 / 小林大介 / 山中彩佳 / 矢島佳緒里 ゲームシステム 本多幸太郎 / 根田祥弘 音楽 サウンド Falcom Sound Team jdk 園田隼人 / 宇仁菅孝宏 / 古口駿太郎 神藤由東大 / 真我光生 主題歌「名もなき悪夢の果て」 編曲 作詞 真我光生 ボーカル コーラス 佐坂めぐみ ギター 関口功二 ベース NAOKIX マスタリング 稲葉康之 【イラストレーション】 エナミカツミ 品質管理 山下英幸 / 千代田憲幸 / 松村弘和 / 奈良美保 パブリシティ 稲垣貴士 / 稲屋秀文 / 星野淳史 / 村上文郁 / 伊東佳織 スペシャルサンクス 株式会社デジタルハーツ フォントワークス株式会社 Reallusion Inc. ディレクター 草野孝之 コーディネーター 石川三恵子 プロデューサー 近藤季洋 ゼネラルプロデューサー 加藤正幸 THE LEGEND OF HEROES KURO NO KISEKI (c)2021 Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.
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炎舞と氷嵐の軌跡 P 水/火 3 呪文: ■マナゾーンに置くときこのカードはタップして置く。 ■S・トリガー ■自分のクロスギアを好きな数破壊する。こうして破壊されたクロスギア一枚につきカードを二枚引く。その後破壊したクロスギアの枚数まで自分は手札を捨てる。 作者:神風弐千 収録 DMTT-06 「真武の降臨」 《邪魂転生》 《エマージェンシー・タイフーン》 評価 名前 コメント
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キャラクター考察 メインキャラクターロイド・バニングス エリィ・マクダエル ティオ・プラトー ランディ・オルランド ノエル・シーカー ワジ・ヘミスフィア ツァイト キーア リーシャ・マオ アレックス・ダドリー メインキャラクター ロイド・バニングス [部分編集] 前作「零の軌跡」に引き続き、本作の主人公を務める。 血液型はO型。 クロスベル警察・特務支援課所属の新米捜査官だが、本作では肩書きが「上級捜査官」に昇格。この捜査官資格は半年間の警察学校在学中に取得。 前作序盤で「新人の警察官で捜査官資格を取れたのは珍しい」とフランから驚かれていた。 故に前作での特務支援着任早々、チームリーダーを任せられる(捜査官資格保持者は今作でもロイドただ一人) 様々な事件に遭遇し乗り越えていく中で心身ともに成長し、名実共にリーダーとなって仲間達を引っ張っていく。 優れた洞察力や多角的な見識を生かした、理論的な推理や捜査を得意とする。状況によっては敵対勢力の人間や自分が取り締まるべき犯罪者に協力を求め、時には自ら囮を買って出たり一騎打ちを提案したりするなど、柔軟且つ大胆な思考と行動力も兼ね備える。 兄であるガイが「俺に似ず秀才」と言っていたことから、子供の時から頭の回転は早かったようだ。 得物(武器)はトンファー。警棒の一種で、警察流仕込みの制圧術を得意としている。防御系のスキルに関してはランディの御墨付きで、かなりのモノらしい。 黒月のツァオやラウもロイドの戦闘力を評価しており、黒月が使う東方武術を修めればもっと伸びるとの談。 とある事情で特務支援課が一時解散となった後は研修という形で捜査一課に入り、本格的な防諜・対テロの訓練を受けていた。ちなみに一課での指導担当はダドリーが当たっていた模様。 この研修中に捜査一課に入らないかと声が掛かったが敢えて辞退し、特務支援課に復帰したことが序盤で判明する(エマ捜査官からは理解に苦しむと言われた) 本作では時に仲間の間違いを厳しく正す、前作とは少し違ったリーダーシップも発揮。ただし、自らの真っ直ぐ過ぎる発言が招く周囲への影響(時には誤解)について無自覚なのも相変わらず。 そんな性格故か、某占い師の腕をもってしても結婚相手は「対象者が多すぎて絞り込めない」とのこと。 更にその占い師からは「人を惹き付ける魔性があるみたいだから気を付けなさい」とまで言われた。この言葉を裏付けるように前作からエリィやティオが彼は「危険人物」とこぼしていたが、無自覚天然ぶりが今作で更にパワーアップした今となっては、あらゆる意味でのロイド最強スキルといっても過言ではあるまい。 後天性とはいえ常人より遥かに優れた感応力を持つティオでさえ気付けなかった“ミツケテ”の呼び掛けが唯一聞こえていた人物。 新Sクラフトは空高く跳び上がり、強烈に回転しての急降下で敵を粉砕する『メテオブレイカー』。 新家具の一つ『トリスタン号』はZwei2より、主人公ラグナの愛機である《飛行機(エアロシップ)》。プレイヤー視点では常識的な飛行機械はこちらなのだが、軌跡世界では架空のものであるというのが面白い。なお、軌跡世界における飛行船・飛行艇は《飛翔機関》による反重力飛行である。 前作で少しだけ触れられていた、ロイドの両親が事故死した経緯が今作で明らかに。事故の具体的内容は、当時クロスベルで就航したばかりの飛行船の墜落。 両親を喪った当時のロイドは物心ついたばかりの3歳。事故のことは殆ど憶えていないが、兄ガイが色々苦労していたことは覚えている。 墜落場所が山間部だったせいか、両親の遺体は見つからなかったらしい。 兄ガイの殉職後クロスベルを離れて外国に住む叔父の元に身を寄せていたが、警察署就職を機に帰国。今作ではこの叔父宅がカルバート共和国内にあることが判明する。 料理は前作と同様、お菓子など甘味系以外のジャンルをバランス良くこなす。前作で大得意だったお弁当に今作では洋食系など、得意料理のレパートリーもいくつか増やした。 エリィ・マクダエル [部分編集] 特務支援課のメンバーで、前クロスベル市長であり自治州議会の現議長を務めるヘンリー・マクダエルの孫娘。両親とは8年前に離婚してから別居中。父は故郷の共和国で、母は縁戚のいる帝国でとそれぞれ離れて暮らしているが、時折導力通信や手紙のやりとりをしている模様。 血液型はA型。 チームではリーダー補佐を務め、留学経験で得た政治・経済面の豊富な知識や巧みな交渉術でチームを助ける参謀役。またチームの中では一番の常識人で、無茶なことばかりをするメンバーにツッコミを入れるしっかり者でもある。 名家であるマクダエル家の出身ということもあって有力者の知り合いが多く、また政財界や上流社会の様々な事情にも詳しい。特務支援課の一時解散後は、自治州議会の議長に就任した祖父を手伝うために警察を休職していた。 競技射撃が趣味で、得物は競技用にカスタマイズして貰った旧式導力銃。正確な射撃を得意としている。 落ち着いた性格で優しく包容力もある女性だが、その反動か一度怒らせるととても怖い。 普段から大人びた態度を崩さないが、不意を突かれたりからかわれたりすると自棄を起こすなど年相応の一面を見せる。実は幽霊や怪談の類が大の苦手。他にも幾つか苦手なものがあるらしい。 元々は政治家志望で、警察に志願したのはクロスベルの歪んだ現実を間近で観察する為の社会勉強のつもりだった。現在は、将来どのような道を歩むにしても特務支援課のメンバーとして人々の役に立ちたいと考えている。 前作のとある出来事からロイドに篤い信頼を寄せると共に、彼に好意を抱いている。それ故にロイドの無自覚天然たらしっぷりには、やや嫉妬が入り混じった感じの呆れ顔をすることが多い。もやっ。 前作の絆イベントでは、自分の想いをロイドに伝えてはいるが、返事を貰うまでには至っていない。その後はお互い忙しかったのもあってか、関係が全く進展しないまま今作に至っている。 今作の彼女との絆イベントでは、実はロイドが出会った当初からエリィのことを意識していたことが判る。また、今作の彼女との絆イベントでは、ついに・・・。詳しくは実際に見てみよう。 新Sクラフトは、白黒二挺の大型導力銃の連射からさらに渾身の一射を放つ『デバインクルセイド』デバインクルセイドは2週目に引き継げないことから、白黒二挺の大型導力銃は旧ハルトマン邸で手に入れたものと思われる。 ペネトレイターで使う古式導力ライフルや、ワイルドスワンで使う小型の拳銃、そしてデバインクルセイドで使う白黒一対の二挺導力銃と、計五挺もの銃を所持している。 今作では1章のシャーリィとの絡みや終章の救出時でのイベント、そして絆イベントとチップキャラのアクションにやけに力が入っている。 新家具のひとつであるオルゴールの曲はファルコム作品『英雄伝説Ⅲ・白き魔女』で使われた間奏曲「小さな英雄」のアレンジ。 料理では前作でオムライスやパスタなど一部得意だったものが苦手に。お菓子やジュースなどの甘味系専門に近い。 ただ、前作で苦手としていたカクテルは得意料理になっている。 ティオ・プラトー [部分編集] 特務支援課の最年少メンバー。 レマン自治州にあるエプスタイン財団本部からの出向という形で特務支援課に所属する、14歳の少女。従って正式には警察官ではない(クロスベル自治州での一般警察官採用年齢は16歳以上)財団が研究・開発を行っている新武装「魔導杖(オーバルスタッフ)」の使い手。 血液型はAB型。 D∴G教団の元被験者。数年前に行われたD∴G教団殲滅作戦時で救出された、数少ない生き残り。この作戦にはセルゲイに率いられたガイが参加していた為、ロイド以外の支援課メンバーの中では唯一ガイとの面識がある。 故郷はレミフェリア公国で両親も健在。ただ、自身に身に付いた能力故に周囲との軋轢が生じ、実家を飛び出している。今作の絆イベントにて、今現在両親とはどうなっているのかが明かされた。 教団での実験の結果、常人を遥かに超えた五感や感応能力を後天的に持ち、支援課でもそれを生かしての探知活動を行う。また、導力機器や導力ネットが絡む内容は彼女の十八番。 重度のみっしぃフリークで、インターミッションでは彼女の振るう熱弁に注目。それだけに第三章で襲い掛かるサブクエストでの試練には同情せざるを得ない。 今作ではカゲマルという猫にも同様の執着を見せる。 クールで言葉少ない印象だった前作に比べ、少女らしさが増しており、装飾品に興味を示したりする一面も見せた。エリィほどわかりやすい形ではないが、彼女もまたロイドに好意を抱いている節が多々見られる。彼女の絆イベントでは特に顕著で、とある約束でロイドの外堀を埋めに掛かる策士ぶりを発揮する。 口癖もランディの影響なのか、多少べらんめぇに染まってきている。 新Sクラフトは『エイドロンギア』。ZCFの『オーバルギア計画』を元にエプスタイン財団が共同開発した新鋭機。財団から盗まれオルキスタワーに持ち込まれていたものを回収した。 飛行が可能なうえ、大量の小型ミサイルや導力砲《エーテルバスター改》を備え、火力は原型機とは比較にならない。オーバルギア計画のスタートは空の軌跡SC-3rd間。本作から遡って1年半ほど。期間に対してとんでもない進化ぶりである。 前作において『計量が重要な料理』として得意だったはずの汁物や鍋物が一転苦手料理に。代わって得意料理になったのは一部のお菓子やバーガー、サンドウィッチ。 ランディ・オルランド [部分編集] 年齢21歳。特務支援課の最年長メンバーでチームの兄貴分。 血液型はB型 陽気でナンパ好きな性格であるが、一方でさり気ないフォローを入れるなど年長者らしい一面も見せる。 趣味はナンパにギャンブル、グラビア雑誌鑑賞とは本人談 クロスベル警備隊に所属しベルガード門に詰めていたが、とある事情により当時の司令から不興を買い警備隊をクビになった。その直後、当時警備隊副司令を務めていたソーニャから特務支援課を紹介される。今作の冒頭では出戻りという形で一時的に警備隊に戻り、ミレイユ准尉を始めとする《グノーシス》を投与されたベルガード門警備隊員たちのリハビリ訓練に協力している。 警備隊所属当時の階級はノエルと同じ曹長。 使用武器は「スタンハルバード」。今作、警備隊副司令に就任したダグラスから学んだ。警備隊在籍時のランディはとある事情からライフルの使用を頑なに拒んだ為、ダグラスがスタンハルバードだけでも一線級で戦えるようにと伝授したらしい。 鍛練の甲斐あってか、警備隊員の間では「スタンハルバードを使わせたらランディは警備隊随一」とまで噂されている。 本名はランドルフ・オルランド。ゼムリア大陸西部最強の猟兵団の一つ《赤い星座》の部隊長を務めていた。《赤い星座》を率いる団長である《闘神》バルデルを父に持ち、彼自身も《赤き死神》《闘神の息子》と敵から呼ばれ恐れられていた。 猟兵隊員からの呼び名は「ランドルフ隊長」だが、部隊長のひとりである閃撃のガレスは「若」と呼んでいる。 従妹のシャーリィから再会早々に「ランディ兄」と呼ばれたことから、ランディは愛称と思われる。 初めての実戦参加は9歳。 新Sクラフトは『ベルゼルガー』猟兵時代の得物であった特注品ブレードライフル「ベルゼルガー」による、怒涛の連続攻撃。 ただし作中でシャーリィに一度壊されてしまい、ギヨーム親方に修理を頼むことになる。第4章以降、結界に閉ざされてしまったクロスベル市からどうやって持ち出したのだろうか。 ちなみに空の軌跡FCにおけるアガットの最強武器の名前も『ベルゼルガー』である。戦闘スタイルといい、赤毛といい、妙に共通点の多い2人である。 今作では、彼が何故《赤い星座》を抜けてクロスベルに流れて来ることになったのかの経緯が絆イベントで語られる。 料理ではステーキやご飯物といった、食卓のメインになるボリュームのある料理が得意。久々の警備隊暮らしで腕を磨いたのか、今作では鍋物系も得意分野に追加。 しかし、前作で大得意だった薬膳麻婆豆腐が一転して苦手料理になってしまった。チャンホイにダメだしでも喰らったのだろうか? ノエル・シーカー [部分編集] 前作でタングラム門に詰めていた女性警備隊員。クロスベル警察のオペレーターであるフランの姉。ロイドやエリィと同い年だが曹長の階級にあるエリート。ソーニャの右腕的な存在であり、同僚の警備隊員からの信頼も厚い。 今作ではソーニャの司令昇進に伴い、彼女もタングラム門からベルガード門に配置転換している。 フランとの姉妹仲は非常に良い。重度のシスコンな妹に手を焼きながらも、優しく見守っている。 実はエリィやフランと同じく、リベール王国軍に所属するユリア准佐の大ファン。 武器は両手に装備したダブルサブマシンガン。他にもスタンハルバートに加え、電磁ネットやグレネードにミサイルポッドなど様々な武装を扱う。 今作では警備隊からの出向という形で、特務支援課に所属することになる。 車両の運転技術に優れ、支援課では新しく支給された導力車の運転を務める。彼女自身、カーマニアな一面もあり、車の話になると熱中してしまう時も。 配備された新車に誰よりも喜んで嬉々として運転手を買って出るほどの情熱っぷりを発揮。 彼女の指導によってティオ以外の特務支援課の面々は導力車の運転ができるようになる(ティオは年齢制限に引っかかる為) 生真面目で礼儀正しく公私混同はしない性格のため、当初はフランクな特務支援課のやり方に驚いていた。また、フランにも職場での呼び方に気を使うよう指示するなどしていた。 自分は女性としての魅力には欠けていると思っている節があり、インターミッションではそれが顕著に出ている。 クロスベルを守りたいという強い一心のもと職務に励んでいるが、その背景には10年前に父オズマを亡くした「事故」に対する思い入れがある。中盤、《赤い星座》によるクロスベル市襲撃事件で甚大な被害を被り混乱する警備隊に復帰。その際に三尉(軍隊での少尉に相当)に昇進。 直後の二大国軍によるクロスベル侵攻の際、実際に列車砲を発射した帝国軍への怒りもあり、国防軍への体制変化を容認。支援課の面々と対立することになる。 ・・・が、内心の欺瞞や支援課に対する甘さをロイドに厳しく指摘されることに。その一騎打ち直前で、ロイドが彼女に言い放った台詞は今作屈指の大名(迷)言。 恋愛沙汰には奥手な彼女も、妹の強い後押しもあって絆イベントで一世一代の大勝負を試みることに。 新Sクラフトは『アームドフォース』。警備隊の新型装甲車二台に支援攻撃を要請し、ガトリングガンとミサイルの大火力で敵を撃破する。 空間の不安定さを理由にメルカバでさえ進入出来ない碧の大樹にまでも平然とやってくる、脅威の車輌。 料理では米食や麺モノなど、しっかりした主食系が得意な模様。ランディに近い。ただし飲み物系統はあまり得意ではない。 ワジ・ヘミスフィア [部分編集] クロスベル旧市街を二分する不良集団の一つ《テスタメンツ》のヘッド。 曰く『気まぐれ』でディーター新市長から推薦状を貰い、警察に就職。今作序盤から特務支援課の準メンバーとして活躍する。 優れた洞察力に加えて、七耀教会の聖典にまつわる知識や裏社会の情報に精通していること、創立記念祭のチェイスバトルで元《執行者》のヨシュアと渡り合う実力など、前作では数々の謎めいた部分を垣間見せていた。不良グループのリーダーだが副業としてホストもやっていた。が、警察入りした今作でもホストを兼業している。それ故かかなりの衣装持ち。自室のベッド上に広げられている青い衣装は、前作の《黒の競売会》で披露した正装と思われる。 このように謎めいていた彼の素性だが、七耀教会星杯騎士団に所属する《守護騎士(ドミニオン)》の第九位であることが今作で判明する。渾名は《蒼の聖典》。彼の率いるテスタメンツの由来は、この聖典(テスタメント)から来ている。 クロスベル自治州では諸々の事情や政治的思惑から星杯騎士団の活動が認められていない為、身分を隠しつつ2年前から『計画』の調査を進めていた。よって、守護騎士として活動していたのは少なくとも15歳以前からということになる。 ただ、守護騎士になる条件が『《聖痕(スティグマ)》が顕現すること』なので、通常の星杯騎士入団とは事情が異なる。 17歳で従騎士を拝命したケビンが異例の若い昇任とされたことを考えると、ワジの場合は破格とさえ言えるのかもしれない。 守護騎士としての言動よりも《テスタメンツ》リーダーとしての言動のほうが、本来の彼の性格に近いとか。 武器は手甲(ナックル)。柔軟な肢体と身軽なフットワークを生かした格闘技が得意。また、今作ではカードだけでなくビリヤードを使ったクラフトも披露してくれる。 新Sクラフトは『アカシックアーム』。聖痕の力で作り出した異形の腕で広範囲の敵を掴み、爆砕する。 ただしこのSクラフトはデッドリーヘヴンと違う「魔法攻撃」扱いなので、アーツ反射特性の有無を事前に確認する必要がある。 ワジの生い立ちや《聖痕》を顕すことになった経緯は、彼との絆イベントで確認できる。 得意料理は飲み物系全般。タングラム門名物の魚鍋『芳醇潮鍋』が気に入ったようだが、この鍋自体の調理は苦手な模様。 ツァイト [部分編集] 青と白のたてがみを持つ巨大な狼。クロスベルに住まう狼たちの長で、その姿から伝承にある《神狼》と思われていた。 前作でマフィアが起こした軍用犬事件でロイド達に助力した後、支援課に居つく。以来、セルゲイ課長の根回しで警察犬の名目で所属することになる。確かに狼はイヌ科だがツァイトは犬と称するにはあまりにも立派な牙と巨大な体躯を持っているので、警察犬とは強引過ぎるだろうセルゲイさんとダドリーは呆れている。 彼の首輪は支援課の皆で相談して選んだ物で、クロスベル警察犬としての身分を示すマークも付いている。 普段は支援課ビルの屋上で陽なたぼっこをしているか、入り口付近で番犬(番狼?)よろしく寝そべっている。 好物は骨付き肉。 前作から神狼ではないかと噂されていたが、正確には“女神から遣わされた聖獣”であることが今作で判明する。太古に女神よりもたらされた《七の至宝(セプト=テリオン)》の一つで、知覚や認識を司り因果を御する力を持つ『幻』を司る至宝《虚ろなる神(デミウルゴス)》を見守る役目を持つ。 また、作中の史実を基にした童話『聖女と白い狼』に登場する狼も彼自身でもある。 『空の軌跡』に登場した空の至宝《輝く環(オーリーオール)》を見守る役割を持っていた、リベールの古代竜レグナートは同胞。人の言葉は話せないが、レグナートと同様に念話によってコンタクトを取る事が可能。 普段の姿は仮初めのもの。本来の姿は蒼白く輝き、兵士を軽く一呑みにしてしまうほどの巨体である。 ただかつてのレグナートと異なり既に《幻の至宝(デミウルゴス)》が失われている為、『至宝と人々を見守り続ける事(手出しはダメ)』という“古の盟約”の縛りは存在しない。支援課への手助けが許されるのもこのため。 キーア [部分編集] 前作の《黒の競売会(シュバルツオークション)》で、ロイド達に保護された、記憶喪失の少女。 外見年齢は9歳くらい。 愛らしい外見と天真爛漫さで、誰からも好かれる性格の持ち主。ただし、初対面時から「ブスっとしたおじさん」呼ばわりされたダドリーからは、今でもあまり良い印象を持たれていない。 D∴G教団から《御子》として崇拝され、彼らの崇拝する《真なる神》に至るべき存在としてヨアヒムにその身を狙われていた。キーア自身も初めての料理をまるで作ったことがあるかのように美味しく調理したり、ツァイトと意思疎通が出来るなど謎が多かった。 教団事件解決後は、支援課のビルから日曜学校に通い始めて健やかに暮らしていた。前作で訪れた病院でシズクと交流を深めたが、日曜学校でも新しい友達が出来た。近頃では数学や自然科学の面で秀才ぶりを発揮し、上級生クラスの生徒と一緒に学ぶまでに至っている。 今作ではクロスベル中の食料品屋で買い物をするうちに店主達とも仲良くなりつつある模様。 彼女の正体は、クロイス家の失われし《幻の至宝(デミウルゴス)》を再現する試みの果てに生み出された《零の至宝》の依り代たる《人造人間(ホムンクルス)》。その魂は教団が犠牲にした、数多の魂を繋ぎ合わせたもの。500年前にクロイス家からD∴G教団に託されてからは、教団の象徴《御子》として太陽の砦最深部に設置された揺り篭の中で眠り続け、薬物《真なる叡智(グノーシス)》を通して500年間に渡り人々の知識を集積し続けてきた。 《黒の競売会》に出品予定のローゼンベルク人形が入っていたトランクの中に彼女がいたのは、ヨアヒムの動向を把握していたマリアベルとアリオスの手で揺籠から解放され、出品予定の人形と掏り替えられたから。 自らの意志で《零の至宝》として目覚めてからは、かつての《幻の至宝》としての力だけではなく、「時」「空」の力も操ることもできるようになる。マリアベル曰く、零の至宝に備わったのは空間を消滅させたり、因果律に干渉して過去・未来の出来事を改変することが出来る『女神にも匹敵する究極の力』 前作の冒頭でロイドが見た「夢」の正体は『エステルやレン達とあまり関わる事無く太陽の砦に4人だけで挑み、暴走したヨアヒムに全員殺害された』という、実際にあった結末。これを識ったキーアは悲しみのあまり力を暴走させ、ロイド達が生存できるように因果を改変した。 無意識に力を使ったとはいえ親しい人達の因果律を改変してしまった後ろめたさから、本当のことをなかなか言い出せず思い悩んでもいる。そんな彼女の思いに付け込んだのが…… この他にもロイド達に秘密にしておきたかった事があったのだが、全てをマリアベルに暴露されたことで激しい自己嫌悪に陥る。絶望のあまりかつての《幻の至宝》と同様に自らの存在を消滅させようとまでするが、単身で彼女を迎えに来たロイドの決死の説得により思い留まり無事に生還。 この時のマリアベルの言動から、この際にキーアから《零の至宝》としての力は失われたとのこと。 そんな彼女の立ち位置・描写は、近年のファルコム作品ではミア(Zwei2)やティア(Ys7)に通じるものがある。ついでに名前の語感も近い。 家具イベントで見られるペンギン着ぐるみの元ネタは、Zwei2の呼び込みペンギン。あちらでは物理的な意味で最強と言われるキャラ。 その破壊的な可愛さにより、支援課内でのキーアの着ぐるみ姿は禁止されることになった。 ロイドが自室用に買ったミニサンドバックをひと目で気に入り、お得意の「おかえり-」タックル練習用に活用しているらしい。 リーシャ・マオ [部分編集] アルカンシェルに所属する新人アーティスト。公開練習を見物中、イリアによってその素質を見抜かれ、やや強引気味ではあるが劇団に誘われ入団した。 実は、共和国東方人街の伝説の凶手《銀(イン)》の正体。《銀》であるときは内功で体型や気配を変えて、仮面と全身を覆うほどの黒衣でその正体を隠してきた。内功で体型や気配を変えている時は、そちらに力を割くので全力を出すことが出来ないが、それでも達人クラスの実力を有する。 今作ではとある事件で《銀》として支援課と共に行動している最中、結社の使徒である《鋼》のアリアンロードと対峙。彼女の超高速の突きを唯一捌ききるものの、完全にかわす事は叶わず仮面が破壊され、その正体が露見してしまう。正体が露見して以降は、黒月(ヘイユエ)との契約を打ち切り、クロスベルを去る決意を胸に秘めつつアルカンシェルに出演してきたが、《赤い星座》によるクロスベル襲撃時、シャーリィがアルカンシェルの公演に乱入。本気のリーシャとの戦いを望んだシャーリィの策略により、イリアが舞台生命に関わる重症を負ってしまう。 《赤い星座》のクロスベル市襲撃以降は黒月と再契約。ツァオ達と共に姿を眩まして、シャーリィに復讐する機会を窺っていた。 終章で《赤い星座》に包囲されたロイド達を黒月の構成員と共に助けに現れる。その後、ロイドからイリアの言葉を伝えられ、抑えつけていた本心を吐露。ロイド達に同行することとなる。 使用武器は身の丈くらいある大剣。また身体に隠した鉤爪などの暗器や符術を駆使する。 《銀》とは、彼女の家系に代々受け継がれてきたいわば一子相伝の家業のようなもので、代替わりの度に技術や経験、かつて仕留めた相手についての情報を完璧に受け継いでいる。ゆえに東方人街では寿命のない「不死身の魔人」として恐れられてきた。彼女自身も、幼少期から《銀》を継ぐため、先代の《銀》であった父から教育を受けていた。 リーシャ自身も結社の執行者である《痩せ狼》ヴァルターと引き分ける程の達人だが、歴代でも屈指の使い手だったという父はかつてアリアンロードと戦い、彼女の面を割る所までいった数少ない人間。おそらく一人だったことも考えると、恐ろしい腕前であったことが窺える。 ちなみに《銀》としての口調や性格は全て演技で、普段のリーシャとしての口調や性格が彼女本来の姿である。 彼女とイリアの関係は、『空の軌跡』のエステルとヨシュアの関係に似通っている部分がある。 絆イベントでは彼女の過去、そしてこれから歩むだろう道を知ることができる。 料理は中華・和食(作中で言うなら東方料理?)が得意。出身地的なお約束と、いった所か。 アレックス・ダドリー [部分編集] クロスベル警察で主に凶悪犯罪や国際的犯罪を取り扱う『捜査一課』の若きエース。主任捜査官の肩書きを持つ。 職務に対する実直さと悪を憎む正義感は本物。二大宗主国に翻弄され、政治基盤が脆弱な為に国際的犯罪を取り締まりきれないクロスベルの現状に少なからぬ苛立ちを感じている。 設立当初は懐疑的だった特務支援課の存在を前作の事件を経て認めるようにはなったものの、素直ではないのは相変わらず。セルゲイ課長に対して頭が上がらないのも相変わらず。 前作で筋金入りとまで称された遊撃士嫌いは、今作では幾分和らいでいる。 百貨店二階にある靴屋の常連客。革靴に関して相当のこだわりがある(ブランド物のオーダーメイドを履いている)。 アリオスを含む今作のメインメンバーで唯一、独自のエニグマカバーデザインを持たずストラップすらも付けていないキャラクター。 破天荒で単独行動の多かったガイの捜査方法に否定的な見方をしていたが、捜査官としての実力には一目置いていた。故に彼の殉職には、自分を含め捜査一課の人間はかなりの衝撃を受けたとも語っている。 実はガイの葬儀に参列していた。ロイドの回想シーンで確認出来る。 ティオが初対面で付けたあだ名が「一課のメガネスーツ」。街の人からもメガネスーツ呼ばわり。ただしおじさん呼ばわりには例外無く不快感をあらわす。 今作においては、戦闘能力においてもアリオスら上位者と同格と思えるような描写がなされており、警察の中では群を抜いた戦闘力を持っている。 武器はスーツ下の左脇に提げている大型の軍用導力銃。…の筈だが、最強の武器はインテリ風貌とは裏腹に鍛え抜かれた身体から繰り出される鉄拳。 一部のクラフト技だけでなく、今作で追加されたロイドとのコンビクラフトですら拳を使う。 新Sクラフトは『ジャスティスマグナム』。ジャスティスハンマーから強烈なアッパーカットに繋ぎ複数の敵を空高く打ち上げる、車田テイスト溢れる技。『頭からさかさまに落ちる』という演出が無いのが残念でならない。 実はアッパーカットで打ち上げた時のダドリーの表情が二種類存在する。確かめてみよう。 Sクラフトが鉄拳制裁ばかりなので、導力銃の必要性について考えさせられるキャラクター。 料理ボイスが非常に笑いを誘う。得手不得手の傾向はいまいち分かり辛い。シンプルなものが得意? 前作から引き続き、唯一誰もファーストネームから呼んでもらえない孤高の捜査官。ちなみに本人がフルネームを名乗る場面も少ない。 生前のガイと酒の飲み比べをしたことがあるらしいが、本人はノーコメント。ただ、酒の強さに関しては「ガイと自分はおまえ達(ロイドとランディ)より遥かに強い」と自信満々。 料理ボイスやマスタークオーツを譲るイベントでは、テンプレ通りのツンデレぶりにニヤリと来るものがある。
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これまでの軌跡(6期) ここでは、6期におけるこの部隊の軌跡をたどる。 刻碑暦998年10月 "サイコロの女神"ダイスティーナとその仲間は黄金の門にたどり着いた。 刻碑暦998年11月 「ブリアティルトサイコロの旅」を始めた。 最初のキャンプ地オーラムでイベントに参加。 刻碑暦999年新春ごろ 第二のキャンプ地である、イズレーンに移動。 刻碑暦999年秋ごろ 今期最後のキャンプ地セフィドに移動。数日後に英雄戦が始まった。 刻碑暦1000年2月 次期の最初のキャンプ地をヴァルトリエに決定。 今期のサイコロの旅が終了する。